アディクトの優劣感

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原作者・池間了至VS脚本家・西永貴文

西永 小出さんに「西永さんオリジナルの『アディクト』を書いてください」って言われたんですが、僕は原作のファンだったので、むしろ忠実にやることが僕のオリジナルになると。藍河監督と作業を進める中で原作と変えたのが、ヒノコがドラッグをやらないと言う設定ですね。

池間 映画の第8章で由季宏と一緒にチャーリーをやる流れは自然だったと思う。普段はやらないけど、瞬間瞬間ではやる可能性があるという、あれはいい流れで、ヒノコならやるだろうなって。よくできてると思った。

小出 ヒノコという存在はどう考えればいいですかね?触媒のように世界にポンと入ってきて、自分は何も変わらずに、周りを変えて行ってしまうという存在ですよね。

池間 ヒノコはかわんないね。周りを荒らして、本人は気にしないで。思ったように生きてるだけで。

西永 そういう人いますよね。知り合いでそっくりな人がいますね。マイペースで。年上とか関係なくて、だんだんタメ語になってきたりとか

池間 結構、そういうところに共感した人が、映画アディクトには集まったかなっていう。みんな、Mなんじゃないないですかね(笑。

小出 由季宏が女性、オンナって言う生き物を見てる視点に傾向性があると思うんですけど、例えば、麻美や香織に対して、「あそこまで刹那的になれたらかっこよすぎる」と思ったり。あの感じってヒノコに対して感じることと近いと思いました。由季宏の女性に対する考え方が似てるというか。ヒノコがその中でも一人、純化してるというか。逆に由季宏は男を代表して、男の愚かさを出してますよね。

池間 愚かさと言えば、由季宏が吉永に嫉妬するシーンなんかはよくできてたと思うね。

小出 由季宏の出す答えの中で、ベスト3を選ぶとしたら西永さんは?

西永 「四打ち」、「意識と無意識=潜水艦と海」、「オレはヒノコアディクトだ」ですかね。「ヒノコアディクト」のようにドラッグに絡める恋愛というのがよかったですね。

小出 そういえば、「*Y=・・・・」っていくつあるんでしたっけ?

池間 これ、水パイプなんだよね。

西永 え?これ「Y=」って方程式じゃないんですか?

池間 それもあるけど、水パイプ。

小出 *がタバコというか、草ですか。Yが金具で。

池間 =がチューブ、・・・が煙が流れてる様子で。気づく人ほとんどいないね。

西永 原作者と会えると、こういう事が聞けるからいいですね。確か最初も池間さんに「ここってこうですよね?」と聞いて、「違うよ」って言われたり。

池間 そんなことあったっけ?

西永 ありましたよ(笑

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